

SEO対策で選ぶべきは?無限スクロールとページネーションのメリット・デメリット徹底比較
Webサイトのコンテンツを効率的に表示する方法として、「無限スクロール」と「ページネーション(ページ送り)」があります。
ユーザーエクスペリエンス(UX)の向上を目指して無限スクロールを採用したいと考えるケースも多いですが、SEO(検索エンジン最適化)の観点では注意深い検討が必要です。
本記事では、SEOを重視する場合の無限スクロールとページネーション、それぞれの特徴を詳しく解説し、適切な選択のための判断基準をご紹介します。
無限スクロールのメリット
無限スクロールのメリットは下記になります。
エンゲージメント向上の可能性
ユーザーがスクロールするだけで次々とコンテンツが表示されるため、途中で離脱しにくく、サイトの滞在時間や閲覧数向上が期待できます。
モバイルフレンドリーな体験
スマートフォンなどの小画面デバイスでは、タップ操作が少なく済むため、スムーズな閲覧体験を提供できます。
無限スクロールのデメリット
無限スクロールのデメリットは下記になります。
SEOにおける重大な課題(クローラビリティ)
Googlebotをはじめとする検索エンジンのクローラーは、JavaScriptの実行に制限があるため、単純な無限スクロールでは初期表示以降のコンテンツを認識できない可能性があります。これにより、重要なコンテンツがインデックスされず、検索結果に表示されないリスクが生じます。
近年、GooglebotのJavaScriptレンダリング能力は向上していますが、すべての無限スクロール実装に完全対応できるわけではありません。
※記事は古いですが、Googleの無限スクロールに対するベエストプラクティスになります
検索エンジンとの相性を考慮した無限スクロールのベストプラクティス
SEOにおける重大な課題(URL管理の複雑化)
各コンテンツに個別のURLを割り振る対策(History APIの活用など)は可能ですが、実装には高度な技術力と開発時間が必要です。
考慮すべき要素には、URLの正規化、直接アクセス時のコンテンツ表示、ブラウザの戻る機能や更新時の状態管理などがあり、実装ミスによるSEO悪影響のリスクが高くなります。
代替手段としてページネーションリンクの併設も推奨されていますが、無限スクロールのメリットを損なう可能性もあります。
ユーザビリティの課題
・フッター情報(会社概要、プライバシーポリシーなど)へのアクセスが困難になる場合がある
・特定のコンテンツをブックマークやSNSでシェアする際に、正確なURLの把握が困難
・読み込み速度が遅い場合、表示が中断されユーザーのストレスにつながる
・ページ内の特定箇所に戻りたい場合、再スクロールが必要で不便
ページネーションのメリット
ページネーションのメリットは下記になります。
優れたSEO効果
各ページに明確なURLが割り振られるため、検索エンジンのクローラーがすべてのコンテンツを容易に認識し、インデックスできます。ページ間のリンク構造が明確になることで、サイト全体のクロール効率向上も期待できます。
安定したユーザー体験(UX)
・各ページのコンテンツ量が限定されるため、ページ読み込み速度が安定
・ユーザーが現在位置や残りコンテンツ量を把握しやすい
・フッターへの容易なアクセス、ページのブックマークやシェアが簡単
実装の簡便性
無限スクロールと比較して実装が容易で、特別なJavaScriptの知識や複雑なサーバー側設定は不要です。開発コストを抑制でき、実装ミスによるSEOリスクも軽減されます。
ページネーションのデメリット
ページネーションのデメリットは下記になります。
操作回数の増加
多くのコンテンツを閲覧するには複数ページのクリックが必要で、特にモバイル環境では煩わしさを感じるユーザーもいます。
エンゲージメント低下の懸念
ページ遷移の発生により、ユーザーが途中で離脱してしまう可能性があります。
まとめ:SEOを重視するならページネーションが基本
無限スクロールはUX向上のメリットがある一方で、SEOにおいてはクローラビリティとURL管理という重要な課題を抱えています。
これらの課題を解決するには、高度な技術力と開発コストが必要で、リリース後も予期せぬ問題への対応が求められる可能性があります。
SEOを重視する場合、特別な理由がない限り、確実で実装が容易なページネーションを選択することを推奨します。
ページネーションは、SEO上のメリットに加えて、ユーザーにとっても分かりやすく安定した閲覧体験を提供できます。
無限スクロールの採用を検討する場合は、SEOに精通した専門家に相談し、技術的実現可能性、長期的な運用コスト、SEOへの影響を十分に検証した上で判断することが重要です。
安易な導入は、コンテンツが検索エンジンに認識されず、Webサイトの成長を阻害する要因となりかねません。